6LoWPANとは

6LoWPANとは「IPv6 over Low-power Wireless Personal Area Networks」の略で、低消費電力な無線モジュールから構成されるネットワーク上でIPv6に基づく通信を実現するための標準プロトコルです。6LoWPANでは、電力資源や信頼性の限られたネットワーク上でIPv6パケットを効率的に伝送するための工夫として、パケットの圧縮や様々な最適化を仕様化しており、それにより省電力無線での効率的なIPv6通信を可能にします。

6LoWPAN 以前にも様々な省電力無線ネットワークが提案・実装されてきましたが、6LoWPAN は現在 IoT (Internet of Things) の本命プロトコルとみなされている存在であるといって良いでしょう。IPv6に基づいた通信を行うことで、これまで省電力無線ネットワークとして閉じていたネットワークが、インターネットという世界規模ネットワークに接続されることで、今までに出来なかったより高度なサービスの実現が期待できるからです。

一つの例として、ユーシーテクノジが実現を目指している未来のスマートハウスのアーキテクチャを例に挙げます(下図)。スマートハウスにおける最適なシステム制御を行うためには、各種センサから得られた情報を集約し、それを元に実世界の状況を認識して、その情報をもとに実空間への最適なアクチュエーションを行う必要があります。これを高いスケーラビリティと可用性、低いメンテナンスコストで実現するためには、処理ロジックを安定したクラウドサーバのインフラ上にもたせることが効果的であると考えられます。このような仕組みを実現するためには、インターネットプロトコルに準拠しているという 6LoWPAN の特徴が大きな役割を果たします。

現在、6LoWPANは RFC6282 をはじめとする標準仕様として公開されており、関連する仕様についても活発に議論が行われ、次々に標準化が進められている段階にあります。

ユーシーテクノロジでは、6LoWPANを含む開発ツールを提供しています。詳しくは「6LoWPAN開発ツール」、「IoT-Engine開発キット」をご覧ください。

新しいRFモジュールでの利用についてはお問合せください。別のRFモジュールへの6LoWPAN スタックの移植についてもご相談承ります。

スマートハウスの6LoWPAN活用例
家の中のIoT機器の状態をもとに、クラウド中に家の状態を反映した仮想ホームが作られて、その状態をもとに実際の家のIoT制御が行われます。
仮想ホームの状態はスマートフォンなどからモニターすることができます