ユビキタスID技術の背景となっている「ユビキタス・コンピューティング」(Ubiquitous Computing)とは、近年のコンピュータ技術の進歩により小さくなったコンピュータを身のまわりのさまざまなモノや場所に埋め込んで、互いに通信して協調分散処理をしながら、人間に役立つ情報サービスや環境制御を行う、新しい情報通信技術のあり方です。
このとき、最も重要な考え方が状況認識(Context-awareness)。
身のまわりに埋め込まれた無数のコンピュータやセンサーが、目の前にある、さまざまなモノや、今自分のいる場所というようなことを、自動的に認識するということです。
たとえば、自分の手元に2種類の薬があり、これらがどういう薬かが自動的にコンピュータ認識できれば、薬の飲み合わせのデータベースに問い合わせることで、自動的にその飲み合わせをチェックすることができます。もしも、これら飲み合せの悪い薬を服用しようとしていたら、自動的に警告することもできるのです。
今は、自動的に認識することができないため、こうしたチェックをするためには、インターネットのサーチエンジンを開いて、人手で薬の名称を入力してチェックしなければいけません。
自動的に飲み合わせをチェックして、人に注意を促すようなことはできません。また、今自分のいる場所が自動認識できれば、たとえば、ここから一番近い公衆トイレを探すような検索ができるのです。
このようにモノが何か、場所がどこか、を自動認識できると、いろいろ便利な情報サービスが可能になります。
ではモノや場所を最も確実に認識するにはどうしたらよいのでしょうか。
そこで考えられたのがユビキタスIDアーキテクチャ。
自動認識したい対象に識別子(ID)を振って、そのIDをコンピュータが自動認識しやすい媒体に格納してモノや場所にくくり付けます。
たとえば、IDをバーコードタグに格納して、レーザースキャンで自動読み出しできるようにしたり、RFIDといった電子タグに格納して、電波で自動読み取りできるようにします。








