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プレスリリース

災害時に役立つ情報を提供する「街角情報ステーション」運用実験開始~ ユビキタス技術と衛星通信を活用した情報ステーション ~

YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所
ユーシーテクノロジ株式会社
東京大学大学院情報学環 ユビキタス情報社会基盤研究センター
東京都建設局

株式会社横須賀テレコムリサーチパーク YRPユビキタス・ネットワーキング研究所[1]とユーシーテクノロジ株式会社[2]は、東京大学大学院情報学環 ユビキタス情報社会基盤研究センター、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、東京都建設局と共同で、災害発生時に地上の通信インフラが寸断された状況でも、衛星通信を利用してインターネット接続を維持し、被災者の安否情報の登録や周辺の災害状況・避難場所・交通状況などの情報提供がおこなえる情報端末「街角情報ステーション」の開発を進めてまいりました。この度、上記の活動の一環として、11月21日(水)から11月30日(金)の間、新宿駅西口 小田急ハルク前(カリヨン橋)に「街角情報ステーション」を設置して運用実験を実施致します。

背景

昨年3月の東日本大震災の発生当時、被災地の避難所などでは、外部との連絡がままならなくて、所在を知らせようと思ってもなかなか知らせることができず、家族や知人の安否がわからない、どこの避難所に避難しているのかわからないという状況が多く見受けられました。一方、首都圏においては、交通機関が麻痺したことにより、多数の帰宅困難者が発生し、人々が道路に滞留したり、代替の交通手段に殺到したりしたため、駅や道路において混雑・混乱が生じました。携帯電話がつながりにくく、なかなか家族や友人に連絡が取れないという状況の中、twitterなどが活躍しましたが、被害が大きく通信自体が遮断された地域ではその恩恵にあずかれませんでした。

東日本大震災以降、市民の災害に対する意識は高まっており、今後、首都直下型地震や東海、東南海地震などの発生も懸念されている現在、災害発生の非常時においても、インターネットへの接続を維持し、被災者が今いる場所や状況の把握、周辺の災害状況・避難場所・交通状況などに関する情報を、市民に対して適切に提供するための環境整備が急務と言えます。

発表内容

前述の状況を踏まえて、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所とユーシーテクノロジ株式会社は、災害発生時に地上の通信インフラが寸断された状況でも、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が保有する通信衛星を介してインターネット接続を維持し、被災者の安否情報の登録や被災者にとって有用なさまざまな情報を提供するための情報端末「街角情報ステーション」を開発しました。

街角情報ステーションは、駅前や公園など、災害発生時に多くの人が集まる場所に設置することを想定した独立式の情報端末で、Wi-Fi(無線LAN)の環境を提供しているため、被災者が保有するスマートフォンを接続して各種情報にアクセスすることができます。高齢者などのスマートフォンを持っていない方や、災害でスマートフォンを失くした方は、備え付けのディスプレイで同様の情報を閲覧することができます。また、太陽光パネルと蓄電池などの自立電源を備えているため、電力の供給が遮断されたとしても、ある程度の電力の確保が可能であり、さらに個人が持つスマートフォンを充電するための機能も提供しています。街角情報ステーションには、1台ごとに場所を一意に識別するためのID であるucode[3]が付与されているため、そのucodeを利用して、いつ、誰がどこの場所にいたかなどの履歴を管理することができます。平常時には周辺の施設や店舗などの情報を提供できる他、Wi-Fi接続環境の提供、スマートフォン充電機能の提供、夜間の安全見守りなど、さまざまなサービスを提供するためのステーションとして利用することができます。

街角情報ステーションイメージ

街角情報ステーションイメージ

この度、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、ユーシーテクノロジ株式会社、東京大学大学院情報学環 ユビキタス情報社会基盤研究センター、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構、東京都建設局は、11月21日(水)から11月30日(金)の間、新宿駅西口 小田急ハルク前(カリヨン橋)に街角情報ステーションを設置して運営実験を実施致します。本実験では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の技術試験衛星「きく8号」を利用して、実際に衛星通信を利用した実験も実施致します。

「技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)」 画像提供:JAXA

「技術試験衛星VIII型「きく8号」(ETS-VIII)」 画像提供:JAXA

「街角情報ステーション」の特長

  • 地上の通信インフラが不通でも衛星通信を利用してインターネット接続を維持
    街角情報ステーションには、パラボラアンテナなどの衛星通信設備が備え付けられており、地上の通信インフラが寸断されたとしても、衛星通信を利用してインターネット接続を維持し、遠隔地にあるサーバなどと情報をやり取りすることができます。また、Wi-Fi(無線LAN)のアクセスポイントが設置されているため、被災者が保有するスマートフォンなどでも、Wi-Fiを介して情報にアクセスすることが可能です。 press121121-3
  • 既存の ICカードを利用して、簡単に安否の登録・閲覧が可能
    運転免許証、パスポート、SUICA、PASMO など、一般に広く普及した既存のIC カードを利用して安否の登録・閲覧がおこなえます。街角情報ステーションには、これらの複数種類のカードの情報を読み取れるリーダ(読取装置)が内蔵されており、あらかじめ、利用者情報とカードを紐付けてユーザ登録をしておくことで、災害時にそのカードをかざすだけで安否の登録や家族の安否情報の確認をおこなうことができます。 press121121-4
  • 街角情報ステーションを維持するための電力を確保
    災害によって電力の供給がストップしてしまったとしても、街角情報ステーションに取り付けられている太陽光パネルおよび蓄電池を活用することで、街角情報ステーションを維持するために必要な電力を概ね確保することができます。また、USB端子を介して、被災者の携帯電話、スマートフォンなどを充電することもできます。
  • 被災者にとって有用な周辺情報を提供
    街角情報ステーションでは、そのステーションが設置された周辺の災害状況や避難場所、医療機関、交通運行状況など、被災者にとって有用な情報を提供します。 press121121-5
  • 平常時には周辺施設・店舗などの情報を提供
    街角情報ステーションは災害発生時の情報提供のみならず、平常時には周辺の施設や店舗、天気予報など、来街者にとって有益な情報を提供できる他、Wi-Fi接続環境の提供、スマートフォン充電機能の提供、夜間の安全見守りなど、さまざまなサービスを提供するためのステーションとして利用することができます。

本実験では、街角情報ステーションが災害時にどのような情報を提供できるのかを市民の皆さまに知って頂くとともに、さらにどのような情報があると便利か、どのような形態で情報を提供すべきかなどについてアンケートなどにご協力頂き、今後の改善に役立てていこうと考えています。

YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、ユーシーテクノロジ株式会社、東京大学大学院情報学環 ユビキタス情報社会基盤研究センター、独立行政法人 宇宙航空研究開発機構、東京都建設局は、今回の実証実験の結果を踏まえて、今後、街角情報ステーションの実用展開に向けた取組みを推進していく予定です。


  1. 株式会社横須賀テレコムリサーチパーク YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
    http://www.ubin.jp
    所長 坂村 健
    YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は、身の回りのあらゆるモノや場所に、通信能力を有するマイクロコンピュータやセンサー、アクチュエータ等が埋め込まれ、それらが相互に情報交換を行いながら協調動作し、人間生活をより高度にサポートする、ユビキタス・コンピューティング環境を構築すること、更にその基盤となる次世代通信プロトコルを確立することを研究しています。
    ユビキタスとは、もともとラテン語で「遍在する」という意味で、身の回りのいたるところにコンピュータが埋め込まれ、それが何であるかを意識せずに、「いつでも、どこでも、だれでも」がそれらを活用できる、という概念をさします。
  2. ユーシーテクノロジ株式会社
    http://www.uctec.com/
    代表取締役 諸隈 立志
    ユーシーテクノロジ株式会社は、最先端のユビキタス・コンピューティング技術を適用した IoT (Internet of Things)やM2M分野へのソリューションをご提供しています。
    組込みシステムからシステム構築、コンテンツ制作まで様々なテクノロジをご提供しています。
  3. ucode
    ユビキタスID センター
    http://www.uidcenter.org/
    ucodeとは、ユビキタスIDセンターで標準化がおこなわれている、あらゆる「モノ」や「場所」に世界で一意の番号を付与するための識別子です。2012年6月にITU-Tにおいて国際標準規格が成立。あらゆるモノや場所に固有の番号(ucode)が付与されるようになると、同種の商品であっても、いつ作られたのか、どのような配送ルートを通ったのかなど、モノ固有の情報を管理できるようになり、場所であれば、誰でも、さまざまな目的で、その場所に関する情報を提供することができるようになります。ucodeは誰がどこで読み取っても、特定のモノや場所を識別できる一意の番号であるため、複数の企業や国をまたがって共通に利用することができます。

本リリースに関するお問い合わせ先

  • ユーシーテクノロジ株式会社(担当: 峯岸、高沢)
    TEL: 03-5437-2323
    E-mail: press@uctec.com

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