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プレスリリース

宇宙航空分野向け高信頼リアルタイムOS「T-Kernel 2.0 AeroSpace」を開発 2015年度に打上げ予定の宇宙航空研究開発機構(JAXA)ジオスペース探査衛星に搭載

YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所

ユビキタス・コンピューティング技術の基盤研究を推進するYRPユビキタス・ネットワーキング研究所[1](東京都品川区、所長:坂村健・東京大学教授)は、航空宇宙分野向けに対応した高信頼リアルタイムOS「T-Kernel 2.0 AeroSpace、以下:T2AS」を開発しました。この「T2AS」は、宇宙航空研究開発機構(以下:JAXA)が2015年度に打上げ予定のジオスペース探査衛星に搭載されます。

なお、本内容に関しての詳細は、12 月11 日~ 13 日に東京ミッドタウンで開催される「TRONSHOW2014[2]」( http://www.tronshow.org/ )のセッション「宇宙で使われるTRON、T-Kernel」で紹介します。

宇宙航空分野では、これまで低消費電力とリアルタイム性などが評価されてTRON仕様OSが多数利用されており、2013年9月に打ち上げられた惑星分光観測衛星「ひさき」にはTRON仕様OS の最新版であるT-Kernelが搭載されています。このような実績から、宇宙航空分野においてもTRON仕様OSに関するノウハウやソフトウェア資産が多数蓄積されていますが、さらに次世代のT-Kernelとして高信頼性検証や開発プロセスが整備されたリアルタイムOSおよび検証方式の開発が求められていました。こうした背景から、YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所は、最新のTRON仕様OSとして一般公開されているRTOS「T-Kernel 2.0」をベースに、必要な機能を追加した「T-Kernel2.0 AeroSpace」を開発しました。高信頼リアルタイムOSは宇宙航空分野以外にも交通、医療機器、FA等の分野でも求められ、これらの分野にも「T-Kernel 2.0 AeroSpace」は大きく貢献できるものです。

また、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所では、この「T2AS」の検証・開発プロセスの観点から信頼性を確保するための「T2AS 高信頼適用ハンドブック」を作成しました。このハンドブックは、宇宙機に搭載するリアルタイムOSの信頼性を確保することを目的にJAXAが作成した「リアルタイムOS高信頼化ハンドブック(http://rtos.jaxa.jp/index.html)」を参考にしています。「T2AS」の仕様書と「T2AS 高信頼適用ハンドブック」は、組込みシステムおよびユビキタス・コンピューティング関連技術の標準化・推進団体であるT-Engineフォーラム(東京都品川区、会長:坂村健・東京大学教授)の会員向けに公開を行います。

今後は、この「T2AS」や「T2AS 高信頼適用ハンドブック」を元にT-Engineフォーラムの会員企業である日本電気通信システム株式会社(以下:NEC通信システム)[3]やユーシーテクノロジ株式会社[4]などをはじめとして、「T2AS」製品の提供や汎用マイコンへの移植サポート、および検証サービスなどの提供等が行われる予定です。

「T-Kernel 2.0 AeroSpace」の特長

最新のTRON仕様OS「T-Kernel 2.0」をベースに下記の機能を追加しました。

  • 安全性向上、メモリ容量削減を目的として、OSの機能をユーザがAPI単位で任意に削除し再構成する機能の実現
  • 処理速度に影響しないメモリ保護機能の実現
  • 物理タイマ機能による高精度の時間管理の実現

YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所長である坂村健(東京大学教授/T-Engine フォーラム会長)は次のように述べています。
「T2AS は全世界にT-Engine フォーラムから公開している最新のリアルタイムOS『T-Kernel 2.0』をベースに宇宙航空分野向け開発した高信頼性リアルタイムOS です。T2AS が今後、宇宙航空分野向けはもちろん、交通、医療機器、FA 等の高い信頼性を求められる分野でも使われて行くことを期待しています。」

NEC 通信システムの第一組込システムソリューション事業部事業部長である藤田浩司は、次のように述べています。
「NEC 通信システムは、JAXA 指導の下HⅡ-B ロケットおよびイプシロンロケットに搭載されたリアルタイムOS に対し、JAXA が作成した『リアルタイムOS 高信頼化ハンドブック』を適用した高信頼性検証を担当しています。『T2AS 高信頼適用ハンドブック』は、JAXA が作成したハンドブックと同等の検証観点が記されています。T2AS は宇宙航空分野をはじめとする高い信頼性を求められる分野に適用可能なリアルタイムOS であり、我々の保有する高信頼性検証技術を活用し、高信頼性検証サービスやユーザサポートサービスを提供していきます。」

ユーシーテクノロジの代表取締役である諸隈立志は、次のように述べています。
「ユーシーテクノロジは、T-Engineフォーラムから公開されている小規模マイコン向けのμT-Kernelを、各社の最新CPUにチューニングして販売をしています。T2ASの仕様書や「T2AS 高信頼適用ハンドブック」に基づき、宇宙航空分野や交通、医療機器、FA等の高い信頼性が求められる分野向けに各種CPU向け移植サービスや高信頼検証サービスを展開していきます。」


  1. YRP ユビキタス・ネットワーキング研究所は、身の回りのあらゆるモノに、通信能力を有するマイクロコンピュータやセンサ、アクチュエータ等が埋め込まれ、それらが相互に情報交換を行いながら協調動作し、人間生活をより高度にサポートする、ユビキタス・コンピューティング環境を構築すること、更に次世代インターネット技術の一つであり、いつでもどこでも、携帯電話や携帯端末などを使って、あらゆる「モノ」や「場所」と通信する技術、いわゆるユビキタス・ネットワーク技術に関する研究開発を推進しています。
    URL: http://www.ubin.jp/
  2. TRON プロジェクトは、1984 年の発足以来、約30 年間「どこでもコンピュータ」─IoT (Internet of Things)、ユビキタス・コンピューティング環境の実現に向けた総合プロジェクトです。TRONSHOW はこのTRON プロジェクトの成果を発表する場としてT-Engine フォーラム主催のもと毎年実施されています。本年度開催されるTRONSHOW2014 では、IoT のノードとなる組込みシステムの最新の成果であるμT-Kernel 2.0、uID アーキテクチャ 2.0 を中心としたユビキタスID 技術、さらにオープンデータやビッグデータ解析との連動等、IoT の世界で起こっている最新の成果をご紹介します。
    日時: 2013 年12 月11 日(水)~13 日(金)
    場所: 東京ミッドタウン B1F ホール(東京都港区赤坂9-7-1)
    主催: T-Engine フォーラム
    URL: http://www.tronshow.org/
  3. NEC 通信システムは、通信事業者向けのネットワークシステムのソフトウェア開発を会社のルーツとして、通信機器の開発やソリューション提案、さらに携帯端末や自動車等に搭載される組込みソフトウェアの開発を行っている、NEC グループの中の中核会社のひとつです。NEC グループビジョン(NEC Way)を共有し、「通信と組込みを通じて世界の人々の幸せに貢献する」ことを企業理念としています。「お客様の感動とコンプライアンス第一の行動、プロフェッショナリズムを従業員の生きがいとする」ことを経営方針とし、「人と地球にやさしい情報社会の実現」をめざして活動しています。
    URL: http://www.ncos.co.jp/
  4. ユーシーテクノロジ株式会社は、最先端のユビキタス・コンピューティング技術を適用したIoTやM2M 分野のユニークなプロダクトやソリューションをご提供しています。 これらの分野のコア技術として組込みシステム向けRTOS についても重点を置き、多数の製品とサービスを提供しています。特にコンパクトで高いリアルタイム性能を誇る「UCT μT-Kernel」や、各種マイコン、ターゲットボードへのT-Kernel、μT-Kernel のポーティング、産業向け・民生向けのミドルウェア、アプリケーション開発など、お客様のニーズに応える製品をご提供しています。
    URL: http://www.uctec.com/

本件に関するお問い合わせ

  • YRPユビキタス・ネットワーキング研究所
    担当: 小林真輔
    Tel: 03-5437-2270
    e-mail: press@ubin.jp

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